[名僧] 果心居士。不思議の国の坊主?

名僧シリーズ、今回は僧と言えるかちょっと微妙

果心居士(かしんこじ)
??~?? 宗派不明

おそらく僧じゃない
居士(こじ)というのは、在家での仏教の修行をするひとなので
ここで紹介することにしましょう。

果心居士は自分の顔を変えられます。
びよーんと長くすることだって可能。

いきなり怪しげですね
今回は終始怪しげな話になります。

その技を使って、何をするか

能を見たかったんだけど、混んでて見れないなあ
顔を変に変えて逃げ出したら、そこに座って能を見る

借金取りが来たぞ
顔を変えてごまかす。

せこぉ

剣の達人とやりあってあっさり勝っちゃったり
8人に囲まれても、ドロン、と逃げちゃったり
どうも色んな術を使えるらしい。

織田信長を二度裏切ったことで知られる戦国武将、松永久秀と交流があった

松永久秀が
術でわしを怖れさせてみろ

お易い御用

突如として小雨が降り、物悲しい雰囲気になる
あれ?誰かがいる
目をこらしてみると、病気で亡くなったはずの妻

おお おお

もう
もう良い やめてくれ

雨は止み、
妻だと思ったのは、果心居士だった

日本雑記
作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、『日本雑記』に
果心居士の話、という章を設けている

その中の話

果心居士は、神主みたいな格好をしているんだけど
仏の道を説く

地獄の説明の時
目の前で実際に起きているような錯覚を起こさせる絵を持っていた。

この噂を聞き付けた織田信長
その絵を見せてくれと、呼びつけた。

そのあまりに真に迫った絵に度肝を抜かれた。

家臣は殿を喜ばせようと

何とかそれを譲ってくれ

譲るんなら、金百両を用意せよ

何を調子に乗って法外な。

あとをこっそり付けていって
後ろからグサッ

絵を奪い去った

殿!
先日の地獄の絵を手に入れましたぞ

開いてみると、それはただの白い紙だった。

生きていた果心居士に今度はちゃんと百両を与え
地獄の絵を頼む

はいどうぞ

今度こそ

戻って殿に見せるが
今度は確かに地獄は書いてあるが
あの時ほどの迫力がない

どうしたことだ、果心居士

あの時の絵は、値のつけようの無いものでございます。
百両であればこれくらい。

明智光秀
果心居士が無礼な振る舞いで牢に入れられているとき
明智光秀が牢を訪れ
開放してやり、たらふく酒を飲ませてやった

お礼に芸をお見せ致しましょう。

隣にあった屏風に書かれた琵琶湖の船が動き出した。
さらに水が溢れ出して来た

なんじゃあっ

船がその水に乗って、ざばぁーん
果心居士はその船に乗り跡形もなく消えてしまった。

これらの話はもちろん創作なんでしょうが
今の手品のような事ができたのかも知れませんね
それが噂になり
どんどん話が膨らんでいってこんなことに

ひょっとすると、本当に術を使えた魔法使い?
そう思った方が楽しいか

[名僧]シリーズはこちら(少し下げてね)

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